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院長あいさつ

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病院長 伊藤 靖

平成28年4月より新しく北海道立江差病院の院長を拝命させていただくことになりました伊藤靖です。ご挨拶ならびに北海道立江差病院についてのご説明をさせていただきます。 北海道立江差病院は、昭和23年に開設された68年の歴史をもつ病院で、南檜山地域5町(厚沢部・江差・乙部・上ノ国・奥尻)の医療の中核として、唯一の地域センター病院、二次救急医療病院です。当病院は離島を含む5つの町はもとより、圏域を越えて、北は瀬棚町大成地区・旧熊石町・南は松前町まで渡島半島日本海側一帯の広域な医療圏の中で、急性期一次及び二次医療を担っております。

診療は、内科(消化器・循環器・透析を含む腎臓・呼吸器・神経)・外科(平成28年度から一部のみ)・整形外科・産婦人科・小児科・泌尿器科・耳鼻咽喉科・眼科・皮膚科・麻酔科・リハビリテーション科・放射線科などに加え、中核病院でもあまり標榜のない精神科を標榜しており、管内唯一の二次救急病院として、主に札幌医科大学から応援をいただきながら、常勤医9名で24時間、365日救急対応できる体制を敷いております。
平成27年2月からは、道南圏の救命救急センターを有する市立函館病院を基地病院として、北海道で4機目となるドクターヘリが運航開始となり、既に当院をはじめ周辺医療機関等においてもドクターヘリを活用しておりますが、高次医療機関までの搬送時間の短縮はもとより、その間の治療を含めて安全性が格段に高まったところです。このドクターヘリの運航にあたっては、当院も搭乗医師・看護師派遣病院として、フライトナースの派遣をして協力をしております。
病院施設は、平成10年に江差町中心部の円山から、現在の伏木戸に移転してまいりましたが、これを機会に古い病院のシステムから脱却し、スタッフの体制や医療機器などの更新をはかり、現代の新しい医療が実践できる病院へと変貌してまいりました。
また災害拠点病院として、災害時に地域で連携を図りながら傷病者等の受け皿になるとともに、必要に応じてDMAT(災害派遣医療チーム)を派遣するなどの災害対応の充実も図ってきています。
さらには、地域の医療機関や医療施設と連携を図りながら、全国から医学生の見学実習を受け入れ、若い医師の臨床教育にも貢献しており、後期研修病院(総合内科)、函館五稜郭病院地域医療研修医、札幌医科大学・北海道大学の協力型研修病院としても大学から研修医を受け入れており、地域医療を担う医師の養成に力をいれております。
しかしながら現状においては、少子高齢化と人口減がすすみ、なおかつ広大な大地に医療資源が偏在する北海道の中において、特に医師・看護師・コメディカルなどのスタッフ確保と病院経営では厳しい状況を余儀なくされ、最盛期18名以上いた常勤医も現在は半分の9名となり、看護師不足から一部病棟を休止するなど、以前よりは病院全体の体力が落ちてきているのは事実です。このような状況にありましても、道南・南檜山の地域の皆様が、満足していただける3A(「安全」「安心」「温かみある」)な医療の提供と一層信頼される病院としての責務を果たすことを目指して、スタッフ一同頑張っておりますので、どうぞ皆様、暖かい応援をこれからもよろしくお願いいたします。